親の気持ち

母から電話がありました。

「さっき、TVでがんの最先端治療をやっていたよ。」

私は見ていなかったんですが、話を聞くと、今回もどうやら私にはムリな治療法みたいです・・・

私は、こんな話を母から聞くたびに、毎回必ず今の私の現状を話します。

 

私のがんは遠隔転移もしているし
原発の腫瘍をどんな方法で取ったとしても、全身に回っているがん細胞は取り除く事は出来ない。

 

今回のは良く分からないけど
TVでよく紹介されているのは、今までは手術でしか取れなかったがん細胞を、他の方法で取り除くもの・・・

例えば、手術するのが困難な場所にあって、今までは手術出来なかったものが
新しい方法で取れるようになったり、今までは大掛かりな手術で術後が大変だったのが楽になるとか・・

「どんな方法で取るにしても、取ってもどうにもならないものに対しては、あんまり関係ないんだよ。」

私は母にそう説明します。

私が話をしている間、母の声のトーンはドンドン下がり・・・

「うん・・・う・・ん・・・」

それでも私は説明します。

「でもね、取れないからって言って、今直ぐにどうなるとかじゃないし
なのにそんな声で返事されたら、話すのもイヤになってきちゃうよ～。」

今の私の状態で・・・
「あなたは、絶対に治るから！」って、祈るように言われるよりも、病気の事をもっと知ってほしい。

そうすれば、そんなに怖くなくなると思うんだよね。

前にも書いた事があると思うけど、私は自分の病気に対して出来るだけ客観的に見ようと思っています。
そうしないと・・・あらぬ恐怖心ばっかり前に出てきて、前に進めなくなってしまうから。

「あのね、こうして話していると、やっぱり娘として　“ごめんね、がんになんかなっちゃって”　って
そう言うしかないじゃない。でもね、本当はがんになったのは私が悪い訳じゃないよね。
でも、話しているとそんな風に思えてきちゃうよ。」

「それにね、あなたは治る！って根拠もなくそう言われても、まるで奇跡みたいで現実味がないわけじゃない・・・」

「この病気を知れば、別に治らなくても現状維持さえ出来れば、別にどうってことない病気だって事が分かると思うんだよね。」

「だからあんまり暗い事ばっか考えないで、楽しい話をしたり、楽しいことをしたり・・・
そんな風に付き合っていこうよ」

「こうしてウジウジ悩む事が、一番がんの好物になっちゃうんだからね～」

そんな風に話しました。

母も納得したらしく、明るい話題に変わったんですが・・・

でも・・・実はこんなやり取りを、もう何回もしています。
別に母がボケてしまって忘れてしまうんじゃなく、１度理解したようでも、もしかしたら・・・
って、また思っちゃうみたいです。

それは仕方がないのかな・・・

そういう私も決して諦めた訳じゃなく、こうして現状維持していけば、この先いつかは・・
って、そんな風に考えています。

出来るだけのんびりとした考え方で、これからも進んで行きたいなぁ～

 

そんな私に、早速嬉しいものが届きました

 

 

 

 

　いっつもたくさんの元気をもらって・・・

　いっつもたくさんの勇気をもらって・・・

　お礼を言うのは私の方なのに。

本当にみーこさんったら、退院早々、こんなに素敵はハガキを送ってくれるなんて～

私がもし殿方だったら・・・
「ダーと今すぐ別れて、おれの女になれ～」って叫びたいくらいです。

ホント、ありがとうね。女同士でも　　

愛してるぞ～み～こ～～

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